クソアイス同好会、始動。
2021年8月3日の夜
私はファミリーマートに足を運んだ。
目当てはパルムアイスだ。
お風呂上がりのパルムを食べるのが日課だが、あいにくアイスを切らしていたため、補充をする。
パルムをお風呂上りに食べる。独身だからこそできる贅沢だと思う。
ファミリーマート入った私はパルムを確認したが、既に売切れだった。
仕方なく単体アイスコーナーを足を運んだ私は目を疑った。
そこには「ベビースターラーメンチョコアイスバー」があったのだ。
四つのそれぞれ完全に独立した単語がれっきとした一つの商品として平積みされている。
そいつはコンビニのアイスコーナーで明らかに異彩を放っていた。
キメラだと思った。なんでも混ぜ合わせるものではない。
食感はわかる、パリパリのクランチのようなものが乗っているアイスは見受けられるが味に至っては到底理解しがたい。
醤油味のしょっぱいベビースターと甘いチョコアイスの相性がいいわけがない。
しかし、それと同時に引き込まれるような魅力を感じた。これは食べなければならないと。
クソアイスは一期一会である。
現在のアイス市場では「ガリガリくん」や「スーパーカップ」をはじめとした盤石な王道アイスのラインナップが数多く存在し、そのアイスたちは日々、工場で製造され、人々の胃袋を満足させている。
日々王道のアイスに改良を加えながら様々なアイスメーカーが互いに鎬を削っている。
だが、人間とは愚かなもので、王道アイスに飽きてしまい変わり種を食べてみたい者もまた多く存在する。新たな市場を開拓せんとする商品開発部門からクソアイスたちは産声を上げるのだ。
そのチャレンジャーなコンセプトゆえクソアイスは市場に出されて瞬く間にSNSで拡散され面白半分(自戒)でその味を乏しめられる。
口コミによって売上げは落ちていき、面白半分の輩(自戒)も決してリピートはせず売り上げ不振に陥ったクソアイスは急速に姿を消してしまうのだ。
もちろん、本来新商品は期間限定である場合がほとんどで、その多くは消費者からレギュラー商品の要望がない限り、売り場から消えてしまうケースが多い。
だが、その中でもクソアイスの寿命は非常に短いことで知られている。
クソアイスの中でも私が最も忘れられないのは
「森永製菓 ベジタブルおっとっとアイス コンソメ味」
である。
googleで「まずいアイス」と検索するとこの商品の画像が大量に出てきてしまう、非常に不名誉なアイスである。
しかし、もう現在では「森永製菓 ベジタブルおっとっとアイス コンソメ味」を食べることはできないのだ。
当時の味の予測できないワクワク感や、食べたときのアイス=美味しいの概念をぶち壊された感覚、友達と共有したなんとも言えない微妙な味なもう戻ってこず、その面影すら感じることはないのだ。
私はこのアイスが売り場にあった場合、真っ先にそれを買うだろう。あの何とも言えない微妙な味に会いたいからである。
そこで私は思いついた、クソアイス同好会を立ち上げよう。
このブログを読んでもらうことで一期一会のクソアイスを一人でも多くの人に知ってもらえる。また、この文章を読んでクソアイスを食べてもらおうと思ってもらえたらこれほどうれしいことはない。
私はクソアイスが一つのコンテンツをして大成することを願っている。
クソアイスが生まれるということは物量に余剰がある現代の人間が豊かな証であり、非常素晴らしいことだと思っている。
次の記事はベビースターラーメンチョコアイスについてレビューしていきたい。